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 料理の基本は出汁。手軽に使って家庭料理をひと味違う本格派にしてくれるのが、「竈出汁」です。300年を越える昔ながらの製法で創り出す高知県土佐清水産の宗田節と、国産のあご(トビウオ)をベースに、化学調味料・保存料をまったく使わないで仕上げました。旨みのしっかりした出汁で、ひと味もふた味もグレードアップした料理を家庭で楽しんでください。
 和食の料理人にとって、出汁は仕事の基本であり、その出来によって全ての味が左右される一番難しい仕事といわれます。こだわって選んだカツオや昆布などの素材の旨いところだけを抽出できるようにその日ごと、温度やタイミングをはかる…その日、いい出汁が引ければ、たいていの料理はうまくいく、とも。
家庭料理でも基本は同じ。それが煮物、汁物、すべてのベースになるのですから。そこで、なんとか家庭で技術に頼らず、できるだけ簡単においしい出汁をとれないか…と、様々な素材を試し、香り、風味、プロの舌で出汁を考え続け、行き着きました。
 
町工場(高知県・土佐清水市)の前に広がる海。
 
(釜立て)腹に一筋の切れ目を入れた後、魚の大きさに分けてカゴに並べていく。素人目には区別がつかない魚を、いとも簡単に分けていく。サイズを揃えるのは煮熟(しゃじゅく)や焙乾(ばいかん)工程で時間を合わせるため。
 
 穏やかな港町のあちらこちらから白煙が立ち上る。ここは高知県の西南に位置する土佐清水市。1月から3月にかけて、地元を代表する特産品であり生産量日本一を誇る「宗田節」の製造が最盛期を迎えます。
 釣り上げられた宗田鰹は鮮度が落ちないうちに水揚げされます。町に二十数件ある宗田節の製造工場によって競り落とされ、宗田節づくりが始まります。
 
 
 まずは熱湯で煮て身を引き締める「煮熟(しゃじゅく)」。専用の煮篭に宗田鰹をきれいに並べ、モクモクと湯気を立てる煮釜に入れます。
 1時間ほど煮られた宗田鰹は、冷めないうちに次の「セイロ取り」という頭、内臓、中骨を取り除く工程へ。まだ熱い宗田鰹の身を開くのも、余分なものを取り除くのも、全て地元の女工さんたちの手作業によるもの。素早く一匹一匹を丁寧にさばいていく手元には、熟練の技を感じられずにはいられません。
(煮熟)カゴごと、熱湯に浸け約1時間くらい煮ます。(この工程を「煮熟=しゃじゅく」といいます)釜から出した後は冷ましてセイロ取りへ。
 
(セイロ取り)骨抜きのこと。宗田鰹の頭と内蔵、中骨を落としてセイロに並べます。これもひとつひとつ手作業で進めます。
 
 (焙乾)蒸篭(セイロ)に並べられた宗田鰹は、いよいよ宗田節づくりの勝負どころに突入する。水分を蒸発させ、煙によって豊かな香りをつける「焙乾」工程。
 積み重ねた蒸篭を数階建てになっている焚き納屋へ運んでいき、もっとも下の階で火と煙を起こします。瞬く間に焚き納屋は煙が充満し、宗田鰹の水分を飛ばしながら香ばしい匂いが包みます。
 焙乾にかかる日数はおよそ一週間。その日の風向きや天候に合わせて火と煙の加減を調整しながら、焙乾が進んだものは一つ上の階へ移して仕上がりが均一になるようにします。
 
 
火はすべて薪で起こす。薪はすべて地元産で、馬目樫(ウマメガシ、姥目樫=ウバメガシとも言われる)という非常に硬い木を使う。
 
晴れの日を狙って天日干し。太陽光を燦々と浴び、海風に吹かれてさらに旨味が凝縮したところで宗田節は完成となります。